幸せに明るく咲くと
夢見て芽吹いた花を
手折ることはしたくなかった、
だけど、
今日のこの日に
花を咲かせること
許されないと知った



太陽が色彩を運び
水が生命を潤す


君は喜びをくれた
そして、僕たちは素直に笑った



鮮やかに記憶するものは
何もないままだった
信頼の背中も
愛情の温かな胸も
見えず触れず感じられず
暗闇の中



不甲斐なさで
光を教えてあげられなくて
怖い思いをさせて…
謝っても謝りきれない
慟哭もできないのに



鳥が風と歌うことをやめ
星が明日の向きを示さない


でも
君は喜びをくれた
そして、僕たちは素直に涙した



未だ踏み締めていない大地にも
きっと蕾は柔らかく浮かぶ
そこに根を下ろした君の願いは
温かく包まれ護られて繋ぐ



紅く元気で清らかに咲く
未来の花に
僕たちは笑顔を向けたい
君に向けたように
虫たちも一緒に笑うから
君にも一緒に笑って欲しい
身勝手だけど
君のこと
愛して、
忘れないよ



僕たちは
抱きしめて


いま君は天に召す